こんにちは。ハウスクリーニングと水まわり清掃を専門にしている株式会社 CLEAN PLUS ONE の小野澤です。
ここ数年、リフォームや新築で「節水トイレ」を選ばれるご家庭がとても増えました。
「水道代を減らしたい」「環境にやさしいトイレにしたい」という理由で検討される方が多い一方で、
✔︎節水トイレって本当にお得なの?
✔︎水の量が少なくて流れが悪くならない?
✔︎詰まりやすいって聞いたけど大丈夫?
✔︎掃除が大変になったりしない?
といった不安や疑問の声もよく聞きます。
今回のお掃除ブログでは、トイレクリーニング・水まわり清掃の現場に日々入っているプロの立場から、節水トイレのリアルなメリット・デメリット・選び方をできるだけわかりやすく解説します。
そもそも、節水トイレとは?どのくらい水が減るのか
まずは「節水トイレって何が違うの?」というところから整理しておきます。
従来型トイレと節水トイレの水量のイメージ
ざっくりとしたイメージですが、
- 昔ながらのトイレ:1回あたり 約10〜13L前後
- 一般的な節水トイレ:1回あたり 約4〜6L前後
というように、約半分くらいの水量で流せるように設計されています。メーカーによって数字は異なりますが、従来比で約60〜70%の節水をうたっている商品が多いです。
1日に家族4人がそれぞれ数回トイレを使用すると、年間ではかなり大きな水量の差になります。
節水トイレのメリット
水道代の節約になる
一番イメージしやすいメリットはやはり水道料金の削減です。
水量が従来の半分程度になるので、使用頻度にもよりますが、
- 家族4人
- 1日トイレ使用回数 合計20〜30回程度
という一般的なご家庭であれば、年間で数千〜1万円前後の節約になるケースも珍しくありません。
トイレは毎日必ず使う場所なので、長い目で見るとかなりの差になります。
環境負荷の軽減(エコ)
単純に「もったいないから節水」というだけでなく、環境負荷の軽減という意味でもメリットがあります。
下水処理のエネルギーも減りますし、水資源の有効活用にもつながるため、エコ意識の高いご家庭・企業からのニーズは年々高まっています。
新しい節水トイレは掃除がしやすいものが多い
最近の節水トイレは、単に水量を減らしただけでなく、
- フチなし形状(フチ裏がない)
- 汚れがつきにくいコーティング
- 便器内の渦巻き水流で汚れを流しやすい構造
- 凹凸が少ないデザインで拭き掃除がしやすい
といった「掃除のしやすさ」に配慮した設計の商品が多いです。
実際に現場で清掃していても、
「新しい節水トイレの方が、尿石・黒ずみが付きにくく、落としやすい」と感じるケースが増えています。
デザイン性が高く、トイレ空間がスッキリする
節水トイレはタンクがコンパクトなものや、タンクレスタイプも多く、
- トイレ全体が広く見える
- ホテルのようなスッキリとした印象になる
- インテリアとの相性が良い
といった見た目のメリットもあります。
節水トイレのデメリット・注意点
一方で、現場でお客様からよく聞く「ちょっと困った点」も正直にお伝えします。
配管内が詰まりやすいケースがある
節水トイレは水量が少ないぶん、排水管内を押し流す力も弱くなります。
通常の使い方をしていれば問題ないのですが、
- トイレットペーパーを大量に流した
- 節水のために「小」ばかり使っている
- 水に溶けにくい紙・おしりふきを流した
といった条件が重なると、従来型より詰まりやすくなるリスクがあります。
排水管の勾配(角度)や長さ、もともとの配管設計によっても変わるので、築年数の古い建物で節水トイレに交換する場合は、業者側の事前確認が大切です。
価格がやや高め(初期コスト)
節水機能がない一般的なトイレに比べると、本体価格が高めになる傾向があります。
ただし、
- 水道料金の節約
- 節水による環境負荷の低減
まで含めてトータルコストで考えると、「長く使えばじゅうぶん元が取れる」ケースも多いため、何年くらい使うつもりかも含めて考えるのがおすすめです。
タンクレストイレは停電時に注意が必要
節水タイプの中でも、タンクレストイレは電気でポンプを動かして流すタイプが多く、
- 停電時に流せる回数が限られる
- 機種によっては「手動レバー」で流す方法を覚えておく必要がある
といった注意点があります。
また、ウォシュレット一体型の場合、故障時は「便座だけ交換」ができず、本体ごとの交換が必要になるケースもあるため、ランニングコストの観点で検討しましょう。
後付けの「節水グッズ」は注意
タンク内にペットボトルを入れる、流量を無理に絞るアダプターを付ける、などの後付け節水グッズは、
- 想定外の水量不足で詰まりやすくなる
- タンク内部の部品が正常に動かなくなる
- メーカー保証の対象外になる
といったリスクがあります。
節水トイレが欲しい場合は、最初から節水設計されたトイレ本体への交換をおすすめします。
節水トイレの選び方|プロが見るポイント7つ
ここからは、実際に節水トイレを選ぶときに失敗しないためのポイントを現場目線でまとめます。
「水量」と「洗浄方式」を確認する
まずはカタログに必ず記載されている、
- 大洗浄/小洗浄の水量(L)
- 洗浄方式(サイクロン式・トルネード式・ダイレクトバルブ式など)
をチェックしましょう。
単純に「水量が少ない=良い」ではなく、
その水量でしっかり流せる構造になっているかが大事です。
掃除のしやすさ(形状・コーティング)
清掃業者から見ると、トイレ選びで一番差が出るのはここです。
- フチ裏がない「フチなし形状」か
- 便器外側に凹凸が少ないか
- 汚れが付きにくいコーティングがされているか
- ウォシュレットのノズル周りが掃除しやすい構造か
このあたりは毎日の掃除のしやすさと、数年後の汚れ方に大きく影響します。
4-3. 既存の排水位置・配管との相性
築年数が古いお家では、トイレだけ新しくしても、
- 排水管の勾配が足りない
- 配管の径が細い
といった理由で、節水トイレにしてから詰まりやすくなるケースもあります。
リフォームの際は、配管・床下の状態も含めてチェックしてくれる業者を選ぶと安心です。
4-4. タンク付きか、タンクレスか
それぞれの特徴を簡単にまとめると…
タンク付きトイレ
- 停電時も基本的に使用可能
- 本体価格が比較的安い
- 故障時も部分交換しやすい
タンクレストイレ
- 見た目がスッキリしておしゃれ
- トイレ空間が広く感じる
- 節水性能が高いモデルが多い
- 停電時の使用方法を確認しておく必要あり
デザイン重視か、メンテナンス性重視か、ご家庭の優先度で選びましょう。
ウォシュレットの機能は「使うものだけ」で十分
多機能モデルほど価格も上がるため、
- 本当に使う機能はどれか
- 複雑な機能はほこり・汚れの元にならないか
も考えておくと、掃除もラクで壊れにくいトイレを選びやすくなります。
メーカー保証・メンテナンス体制
節水トイレは精密な構造になっているぶん、万が一の故障時にすぐ見てもらえるかも重要です。
- 保証期間の長さ
- アフターサービスの窓口
- 部品供給の期間
このあたりもチェックしておきましょう。
将来の掃除・メンテナンスコストも含めて考える
初期費用だけでなく、
- 毎日の掃除にかかる時間
- 数年後の尿石・黒ずみの付きやすさ
- 詰まりやすさ・修理のしやすさ
なども含めて考えると、トータルでコスパの良い節水トイレを選びやすくなります。
節水トイレを長く快適に使うためのコツ
「大」と「小」を正しく使い分ける
節水トイレでありがちなのが、節約のために常に「小」で流してしまうパターンです。
これを続けると、
- 排水管内の汚れが流しきれない
- 尿石が付きやすくなる
- 詰まりの原因になる
といったトラブルにつながります。
メーカーの想定通り、「大」「小」を正しく使い分けることが大切です。
月に1度は「多めの水」で流す
建物の配管状況にもよりますが、
定期的に多めの水を流してあげると、配管内の汚れが溜まりにくくなります。
バケツの水を一気に流したり、浴槽の残り湯を利用したりするのも一つの方法です。(※構造によってはNGの場合もあるので、心配な場合は業者に確認してください)
日常のトイレ掃除を「ちょっとだけマメ」に
節水トイレは汚れが付きにくい分、軽い汚れのうちにサッと落とすと本当にラクです。
- 週に1〜2回、便器内をブラシで軽くこする
- 毎日1回、便座まわりをサッと拭き取る
このくらいでも、数年後の汚れ方に大きな差が出ます。
まとめ|節水トイレは「選び方」と「使い方」を間違えなければメリットが大きい
最後にもう一度、ポイントをまとめます。
- 節水トイレは従来型より水道代を大きく節約できる
- エコ・環境面でもメリットが大きい
- 最近の節水トイレは掃除のしやすさにも優れている
- ただし、配管状況や使い方によっては詰まりやすくなるリスクもある
- タンクレスはデザイン◎だが停電時・故障時のことも考えて選ぶ
- 後付けの節水グッズはトラブルの原因になることが多い
節水トイレは「自分の家の配管や使い方に合ったものを選ぶ」「正しい使い方と日常の掃除をする」ことで、メリットの方が圧倒的に大きくなります。
トイレの頑固な汚れ・ニオイでお悩みならプロにご相談ください
節水トイレに替える前に、今のトイレを一度プロのクリーニングでリセットしておくのもおすすめです。
当社では、
- 便器の黒ずみ・尿石の除去
- ウォシュレットの分解洗浄
- 床・壁・換気扇まで含めたトイレ丸ごとクリーニング
を行っています。
トイレクリーニングの詳細はこちら https://cleanplus.one/toilet-cleaning/
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