こんにちは。株式会社 CLEAN PLUS ONE(クリーンプラスワン)の小野澤です。
先日、神奈川県厚木市でレンジフード(タカラスタンダード製)のクリーニングを行った際に、あらためて「アルミ製ファンの洗剤選び」の重要性を感じる出来事がありました。
現場の気づきを忘れないためのメモも兼ねて、プロ目線での洗剤選択・つけ置き時間・お湯の温度管理の考え方を、できるだけ具体的にまとめたいと思います。
厚木市でレンジフードクリーニングをご検討中のお客様のご参考にもなれば幸いです。
厚木市の現場で出会った「極薄・軽量アルミシロッコファン」
今回クリーニングしたのは、タカラ製のレンジフード。
整流板を外し、シロッコファンを取り出した瞬間に感じたのは、
- 一般的な鉄+塗装タイプに比べかなり軽量であること
- 羽根・本体ともに金属板が非常に薄いこと
- 色味・質感からアルミ素材と判断できること
最近のレンジフードは「静音」「省エネ」「軽量化」のために、極薄のアルミを使ったファンが増えています。
一方で、アルミはアルカリ性の洗剤に対して非常にデリケートな金属です。
レンジフードの油汚れと、3つの基本的な落とし方
レンジフードに付着している汚れは、
- 調理中に飛び散った油
- 水蒸気・湯気
- ホコリ・微細な粉(小麦粉・パン粉など)
が混ざり合って酸化した油汚れ(ポリマー汚れ)になったものです。
この油汚れを落とす方法は、おおまかに次の3つに分けられます。
1.お湯による物理的な除去
40〜60℃程度のお湯を使うと、油がやわらかくなり、粘度が下がって流れ落ちやすくなります。
お水よりもお湯の方が洗浄力が高いのは、食器洗いでイメージしやすいと思います。
たとえばお水で食器を洗うより、お湯で洗った方が手が荒れやすいですよね。これは、
- お湯の方が油をしっかり浮かせて落としてしまう=皮脂まで取りやすい
- 界面活性剤(洗剤)の働きも、ある程度温度があった方が活発になる
といった理由があり、同じ洗剤でも温度が上がると「汚れ落ち」と「素材への負荷」どちらも強くなるということです。
レンジフードも同じで、適切な温度を使えば汚れは落ちやすくなりますが、素材によっては負担も大きくなるため、温度設定を含めたコントロールが重要になります。
2.中性洗剤での洗浄
中性洗剤は、界面活性剤の力で油と水を乳化させて汚れを落とすタイプです。
素材への負担が比較的少なく、アルミや塗装面にも使いやすい一方、重度の固着汚れには時間がかかることもあります。
3.アルカリ性洗剤での洗浄
油汚れがひどい場合、強力な味方になるのがアルカリ性洗剤です。
アルカリは油脂をけん化(石けんのような物質に変える)することで汚れを分解します。
しかしその反面、アルミや一部の塗装面を溶かしてしまうリスクがあり、使い方には細心の注意が必要です。
なぜアルミはアルカリ性洗剤で「溶ける」のか
アルミニウムは空気中で自然に薄い酸化被膜を作り、この被膜があることである程度の耐食性があります。
ところが、強いアルカリ(高いpH)の液に触れると、この酸化被膜が壊されてしまい、内部のアルミが溶け出しやすい状態になります。
実際の現場レベルでは、次のような症状として現れます。
- 表面が白く曇ったような変色を起こす
- 触るとザラザラ・粉っぽい質感になる
- 長時間・高濃度では羽根が薄くなったり、変形・強度低下のリスクがある
特に今回のような極薄アルミの軽量ファンでは、
- 洗剤濃度が少し濃い
- つけ置き時間が少し長い
- お湯の温度が高め
といった条件で短時間でも素材にダメージを与えてしまう可能性があります。
お掃除・ライフハック動画を真似する前に知っておきたいこと
最近は、YouTubeやSNSなどで、
- 「マジックリンを◯◯分つけ置きするだけ」
- 「この洗剤を原液で漬けておけば、こすらずピカピカ」
といったお掃除・ライフハック系の動画がたくさん紹介されています。
確かに汚れの落ち方だけを見れば気持ちの良い動画も多いのですが、そのまま同じやり方をレンジフードのアルミファンに適用するのは非常に危険です。
例えば、強力なアルカリ性の油汚れ用洗剤(いわゆる「マジックリン系」の洗剤など)で、動画の通りに
- 高濃度のまま
- 長時間つけ置き(◯◯分〜それ以上)
をしてしまうと、ファン本体がアルカリに反応して溶け出してしまうことがあります。
極端なケースでは、すすごうとしたときには
- 「ファンがボロボロに崩れて形がなくなっていた」
- 「羽根が欠けてしまい、元通りに使えなくなった」
というトラブルにつながる可能性もゼロではありません。
動画では「気持ちよく汚れが落ちる部分」だけが切り取られており、
- 素材の違い
- 洗剤の種類・濃度
- つけ置き時間・お湯の温度
といった重要な条件が十分に説明されていないことも多いです。
特にアルミ製の薄いファンに関しては、動画通りに真似をすると素材自体を傷めてしまうリスクが高いという点を、ぜひ知っておいていただきたいと思います。
プロが現場で行っている「アルミファン」の洗剤コントロール
私たちが現場でアルミ製ファンを扱うとき、特に意識しているのは「洗剤の強さ」「時間」「温度」「力加減」の4つのバランスです。
いわゆるシンナーサークル(Sinner’s Circle)の考え方に近く、どれか1つだけを極端に強くせず、全体のバランスで汚れを落とします。
1.洗剤の強さは「必要最小限」
- まずはお湯+中性洗剤でどこまで落ちるかを確認
- どうしても落ちない部分にだけ、弱アルカリ〜中程度のアルカリ洗剤を薄めて使用
- 原液や推奨濃度の上限ではなく、素材に合わせて少し弱めの濃度からスタート
2.つけ置き時間は「秒単位」で管理
- アルミファンの場合、放置せず必ず時間管理を徹底
- こまめに状態をチェックし、必要以上に長くつけ置きしない
- 汚れが緩んだ時点で一度洗浄・すすぎを行い、それでも残る部分のみ追加対応
3.お湯の温度を活用し、洗剤に頼りすぎない
- 40〜50℃程度のお湯を使うことで、洗剤濃度を抑えながら油を浮かせる
- 温度を上げすぎるとアルカリの反応も早くなるため、温度と濃度のバランスをとる
4.道具の選定と力加減
- 金タワシや硬いブラシは使わず、ナイロンブラシやスポンジを中心に使用
- 汚れが残っても、力任せに削り取らない(素材を傷める原因)
DIYでレンジフードを掃除する方への注意点
ご自身でレンジフード掃除をされる方も増えていますが、アルミファンの場合は次の点に注意が必要です。
1.素材の見分け方
- 持ったときに非常に軽い(鉄に比べてかなり軽量)
- 銀色で、塗装というより地金そのままの質感に見える
こういったファンはアルミである可能性が高いため、強いアルカリ洗剤は避けた方が安全です。
2.強いアルカリ洗剤の「長時間つけ置き」は避ける
- 「油汚れ用」「頑固な油もスッキリ」などの表示のある洗剤は、pHが高いものも多い
- 高濃度のまま長時間放置すると、変色・腐食・ザラつきが出るリスクあり
- お掃除・ライフハック動画のやり方をそのまま真似するのではなく、素材の違いを必ず考慮する
3.不安な場合は、無理をせずプロに相談
「素材がよく分からない」「既に変色している」「ファンの形状が複雑で外すのが怖い」
こういった場合は、無理に自己流で進めず、一度専門業者に相談していただくのが安心です。
厚木市でレンジフード・換気扇クリーニングをご検討中の方へ
今回のタカラ製レンジフードのように、最近は軽量・薄型のアルミファンを採用した機種が増えています。
汚れをしっかり落としながらも、素材を傷めない・安全な作業を行うためには、洗剤の選択とつけ置き時間・お湯の温度管理が非常に重要です。
株式会社 CLEAN PLUS ONE では、
- 厚木市全域でのレンジフード・換気扇クリーニング
- タカラ製をはじめ各メーカーのレンジフードに対応
- 素材に合わせた洗剤選びとつけ置き管理で、安全第一の作業
を心がけています。
神奈川県厚木市で、
- レンジフードのベタつき・油汚れが気になる
- ファンの汚れがひどく、自分では手に負えない
- アルミ製ファンを傷めずにきれいにしたい
とお考えでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
現場で得たこうした「気づき」と「経験」を活かし、安全で質の高いレンジフードクリーニングを提供いたします。



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